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マンスリーレポート[6月度]

★マンスリーレポート(6月度)★
 

低空飛行を続けてきた2022年の猛虎がようやく息を吹き返した6月だった。

 浮沈のカギを握っていた交流戦で12勝6敗と大きく勝ち越し2位でフィニッシュ。
矢野燿弘監督も「たまたまじゃない勝ちと言うか。投手はずっと頑張ってくれていたし、
点をどう取るかが課題の部分であったけど、交流戦では形ができた。

でも、もっと良くなることも十分自分たちでできる」と確かな手応えを口にした。
象徴的だったのが、新庄ビッグボス率いる日本ハムを甲子園に迎えた6月3日からの
3連戦3連勝だった。試合前から主役はかつて阪神のヒーローだった敵軍の指揮官。
スタイリッシュなユニホームの着こなしに、プレーボール直前のメンバー発表後には3
日連続でグラウンドに深々と頭を下げて慣れ親しんだ聖地にリスペクトの意を表して
場内から拍手がわき起こった。

 そんな空気を勢いに変えて日本ハム打線が初戦から猛威をふるった。
先発のアーロン・ウィルカーソンが7失点KO。3回までに6点のビハインドを背負ったが
コツコツと得点を重ねると2点差に迫った8回には大山悠輔のこの夜3本目のホームランとなる
ソロで1点差。その後も攻撃の手を緩めず9対7と逆転勝利を収めた。

 開幕戦で7点差をひっくり返され9連敗というドロ沼にはまったチームの〝潮目〟が変わった瞬間。
連日、4万人を超えるファンが詰めかけた3連戦をスイープした指揮官も「新庄監督に会いたいという
ファンの方はたくさんおられると思いますけど、そういう中で勝つ試合、選手が躍動する試合を
見せられたのはうれしい」と力強くうなずいた。

 6月11日のオリックス戦に勝利し、開幕から64試合目にしてついに最下位を脱出。
交流戦で失速した3位・広島を射程圏に捉えており、Aクラスも十分に狙える位置まで上がってきた。

 どれだけ黒星が積み重なっても、矢野監督は春先から「俺たちの野球をやるだけ」と言い続けてきた。
投打がかみ合わない期間は長かったが、エースの青柳晃洋が大車輪の活躍を見せ、主砲の大山悠輔も
アーチと打点を量産。期待をかけてきた投打の主役が躍動し、強みのブルペンも安定感を増してきた。
26日の中日戦でヒーローになったのは普段は代走としての起用が多い熊谷敬宥。
監督は「全員が何らかの形で絡んでいるという勝ち方は、チーム全体が乗っていけるような勝ちなので」と目を細めた。

 上昇してきたとはいえ、ペナントレースはヤクルトが2位に10ゲーム以上の差をつける独走態勢。
もちろん、虎もその背中を追うしかない。「俺たちの野球」を貫いた先に〝奇跡の扉〟が開く。


記事:39 SMILE CLUB事務局