マンスリーレポート[5月度]
★マンスリーレポート(5月度)★
底は抜けても依然として厳しい戦いが続いている。
9連敗を喫するなど開幕ダッシュに失敗した阪神タイガースは5月も一進一退の
星取りが続いた。それでも、首位のスワローズを除いては他球団もなかなか白星を
積み重ねることができておらず、上位球団との差が4月に比べて開いたわけではない。
5月下旬からはシーズンの行方を左右しかねない交流戦もスタート。
指揮官が「すごく良い形ではないけど交流戦に向けて臨む形をある程度、全員で
作ってくれたと思うから。自分たちの野球をやりきるしかない」と意気込んだように、
〝潮目〟が変わりそうな好材料もある。
それは、リーグ屈指の安定感を誇る投手陣。
3、4月は低調だったものの、4月22日のヤクルト戦で青柳晃洋が完封勝利を挙げて以降、
21試合連続で3失点以下という2リーグ制以降のプロ野球記録を樹立した。コロナ感染で
離脱した藤浪晋太郎がローテに復帰する枠がないほど充実した先発陣の顔ぶれに加えて、
ニューフェイスが輝きを放つのがブルペン陣。
中でも昨季まで1軍での登板わずか3試合ながらセットアッパーを務めている湯浅京己の台頭が
大きい。入団以来、数々の故障に苦しみ力を発揮できずにいた若き豪腕を矢野監督は今年、
1軍の春季キャンプに抜てき。期待に結果で応えてきた22歳を、岩崎優、ラウル・アルカンタラと
形成する勝利の方程式に組み入れた。
5月は8試合に登板して無失点、7ホールドを挙げる活躍。ここまでチーム最多の21試合に登板して
防御率0・90とその背には「飛躍」「覚醒」の文字が浮かぶ。矢野監督も称賛を惜しまない。
「湯浅がね、本当に堂々と力強いボールを投げて、登板ごとに成長している感じがあるんで。本当に
頼もしくなってきています」。今や監督の中では「期待の若手の1人」から頼れるセットアッパーに
まで昇華した。湯浅だけでなく、6年目の浜地真澄(現在は故障離脱中)もブルペンに欠かせぬ存在となり、
5月に昇格してきた高卒3年目の西純矢もすでに2勝をマークするなど、潜在能力が開花しつつある。
チームはいまも最下位。「まだまだチームの状態を上げていかないとだめだと思う」と指揮官の表情も
決して緩むことはないが、戦力となりつつある〝若い芽〟が成長していることも確かだ。そんな個の結集が今後、
どれだけの白星に結びついていくか。まだ折り返し地点にも到達していないシーズンで巻き返す好機は必ずやってくる。
記事:39 SMILE CLUB事務局