マンスリーレポート[4月度]
★マンスリーレポート(4月度)★
待望の1勝だった。
4月5日のベイスターズ戦で、タイガースはようやく今季初勝利を手にした。
開幕から悪夢としか言いようがない9連敗。2022年のタイガースは、
幕開けから地獄のような日々を過ごしてきた。重い扉をこじ開けた立役者は
ベテランの西勇輝。2年ぶりの完封勝利で悪い流れを断ちきって見せた。
試合後、矢野燿大監督の目は真っ赤に充血していた。
「本当にうまくいかないことばかりですけど。テレビをご覧の皆さんも、
うまくいっている人生を歩んでいる方ばかりではないと思う。僕たちも、
もがきながら、苦しみながら前に進む姿から、何とか元気を届けられるような、
そういう気持ちでみんな戦ってくれたと思います」。
その後も引き分けを挟んで6連敗と勢いに乗れない展開が続く中で
〝救世主〟として帰ってきたのが青柳晃洋だった。コロナ感染で内定していた
開幕投手を断念する苦難を経験し、約3週間遅れて1軍に合流。
復帰戦となった15日の巨人戦で8回1失点の快投で連敗を6で止めると、
翌週22日のヤクルト戦では3年ぶりの完封勝利で再びチームの連敗を4で止めた。
停滞ムードが漂う中、個の力で難局を打破。指揮官にも背番号50の存在は頼もしく映ったはずだ。
2軍監督時代から青柳の成長曲線を見守ってきた。元々、制球難でフィールディングなども
得意でなかったが、地道な努力で克服。チームに欠かせぬローテーションの一員どころか、
昨夏の東京五輪に出場するなど球界を代表する投手にまで進化した。
「可能性を諦めない」「オレがやる」…矢野監督が就任以来、チームに浸透させてきた選手としての
姿勢をそのまま体現してきたのが青柳だ。「素晴らしい。中身も、チームを引っ張っていこうという
気持ちと両方あった最高の投球でした」。今季初登板でこれ以上ないパフォーマンスを示した右腕を
監督も称賛した。
球団史上最速での20敗に到達するなど、まだまだ完全に勢いには乗れていないチーム。それでも、
底は抜けたといっていい。29日の巨人戦では三たび、青柳が躍動。2戦連続の完投勝利でチームの
連勝を今季最長の4に伸ばした。「完ぺきだった。青柳が勝たせてくれた試合でしたし、この(巨人)
打線とこの球場(東京ドーム)で、よく投げてくれました」。今季限りでの退任を表明している
指揮官のもと〝矢野チルドレン〟は着実にエースへの階段を登る。背番号88の〝ボス〟も頂点への
道諦めず逆襲のタクトを振る。
記事:39 SMILE CLUB事務局